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最低賃金引上げに対する中小企業の自己防衛策

  • 執筆者の写真: 守田@Phoenix
    守田@Phoenix
  • 10月5日
  • 読了時間: 5分
バブル崩壊(1991年)後の失われた30年でも最低賃金は倍以上に・・・
バブル崩壊(1991年)後の失われた30年でも最低賃金は倍以上に・・・

「物価上昇」を賃上げの理由にする世論に流されていいのか・・・


ここ最近の相次ぐ値上げラッシュによる物価上昇は、国民の生活を苦しめ給与所得が上がらないのは経営者が賃上げをしないのが悪い!と、労使の対立を煽るような論調を強め、大手企業を相手に5%以上の賃上げ要求を呑ませることに成功していますが、果たして薄利でギリギリの経営を迫られているような中小企業で同じような賃上げをしていて大丈夫なのでしょうか?


超人材難のご時世ゆえ、賃上げをしなければ人材が獲得できないからという理由だけで、年々上昇し続ける最低賃金をクリアした採用を続け、自社の生産性が賃上げ率を下回ることが続けば企業経営を圧迫し続けることになり、今よりも厳しい経営を続けていかざるを得ないということは、少し冷静に考えてみればすぐに分かることだと思います。



低下し続ける経済成長、上昇し続ける人件費


高度経済成長期~オイルショック~バブル崩壊へ
高度経済成長期~オイルショック~バブル崩壊へ

「失われた30年」の中で、諸外国に比べて日本だけが給料が上がっていないとマスコミに叩かれているけれど、日本国内の経済成長の推移を見てみれば、このような低経済成長の中で国内企業の99.7%を占める中小・零細企業は、よく頑張って(最低賃金に合わせてだけでも)賃上げしてきたと、むしろ褒められてもいいのかも知れません。


このグラフで見る「高度経済成長期」は、今もほとんどの企業が続けている「年功序列・終身雇用」という日本的人事制度が生まれた時期ですが、この時は誰もが経済成長は未来永劫続くものと信じて、給料の後払いシステムとして年功序列の賃金制度で働くすべての人が年々上がり続ける給与システムに乗ることができました。


しかし、オイルショック以降は経済成長にも陰りが見え、高度経済成長期のような劇的な成長もない中で、バブル景気が生まれ、やがてバブルが崩壊することになり、更に先の見えない時代へと突き進んでいくことになりました。


そして、バブル崩壊後は年平均では1%にも満たない経済成長率が続いていますが、これは

日本人の価値観の中に「安ければ安いほど良い!」という考え方が染みついてしまいデフレを加速化させ、「良いものであれば高くても買う!」という審美眼を失わせてしまったことで、今後の経済成長を取り戻す上では非常に厳しい状況を生み出すことになってしまいました。


この三段階の経済成長失速が続く中で、冒頭に掲げた最低賃金の上昇を受け入れて、時給単価の高い社員を雇い入れる(雇い続ける)ために、企業経営者はどんなことに気を付ければいいのでしょうか?


時給単価に見合った働き方を社員にしてもらうための環境づくり


最低賃金が上がったから、社員に対して「今まで以上にもっと働いてくれ!」と考え社員に厳しくあたる経営者はさすがに今どき居ないでしょうけれど、具体的にどうすれば良いのか目指す方向性や進め方の説明もないままに、精神論だけで「もっともっと!」を要求する経営者はまだまだ社会に潜伏しているのかも知れません・・・


そこで、経営者の皆さんには是非実施して欲しいことがあります。


自社の経営状況を正しく知るためのセルフチェック


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それは、決算書をもとに自社が同業他社に比べて「よりよい経営」を実現できているか黒字企業平均と見比べてみて、今回は人件費の妥当性を検証するための第一歩となる『労働生産性』をまず調べてみることをオススメします。


まずは、「労働分配率」という粗利に占める人件費比率ですが、この数値が高すぎると給与が高すぎて企業の存続を危うものにしてしまうリスクがありますが、逆に低すぎると社員の間には「搾取」されているという意識が広がり労働意欲の減退から生産性が下がってしまうというリスクがあります。


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そのためにも、同業他社(黒字企業)平均に比べて高過ぎたり、低過ぎたりしていないかを

チェックしてみることをオススメします。


そして次にチェックをオススメするのが、労働生産性として「1人あたり売上高」「一人当たり利益額」といった「どれだけ稼げているのか?」と云う水準を知ることで、自社社員の生産性を正しく把握することが大切になってきます。

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先日お邪魔した会社では、社員の皆さんが「忙し過ぎて業務が回らないので残業しなければならない・・・」とボヤいていましたが、その会社での1人あたり売上高・利益額ともに黒字企業平均の3分の1にも満たない労働生産性の低さという実態がありました・・・


社員の皆さんは、会社の決算書を見ることも出来ませんし、自分たちの働きが給料に見合った働きになっているのかを判断することすらできません。


そういった状況に於いて、経営者がしなければならないことは、これまで述べてきた「自社の経営状況」を精査した上で、経営の現状を正しく伝え生産性を向上させるための具体的な方法性と方法を社員に伝えて生産性を向上させ、最低賃金を遥かに上回る高い給与水準を確保することで、働く社員の皆さんの幸福実現とより良い人財の採用を実現させることではないでしょうか?


ひとり一人の社員の行動を「利益貢献」につなげる活動を!


最後になりますが、社内で働く社員の皆さんの日々の活動はどんな立場の人であっても必ず利益貢献につながる活動になっています。


利益拡大のポイントは①固定費削減②コスト(変動費)ダウン③売上拡大④付加価値向上という4つになりますが、ひとり一人の日々の活動がどのように利益貢献につながったかが明らかになれば、人事評価を報酬に連動させることが出来、会社への貢献意欲の高い社員の努力にキチンと報いることで、益々の自社の発展成長につなげていくことができます。


時給1500円時代に向けて、法律上仕方ないから・・・と渋々と時給を上げても生産性向上を実現出来ぬまま労務倒産に近づいていくのか、ピンチをチャンスと捉え労働生産性を高めながら黒字企業の仲間入りを果たし、社員がイキイキと働きながら成長していくのか、大きな岐路に立っているのではないでしょうか?


文中のTKC・BASTに関して、具体的に知りたい方は直接ご連絡ください。

 
 
 

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